今こそ活かす主婦の力
女性活躍推進策「女性が輝く日本へ」では、出産してからの復職や育児をしながら働くための就業支援を掲げています。これは主婦が復職をすることへの追い風となっています。主婦の復職に向けて、正社員ではなく労働時間優先のパートやアルバイトなどの雇用を発掘して支援を行っている人材会社や派遣会社も数多くあります。また、実際に主婦を積極的に採用している企業の経営者もいるようです。
主婦を積極的に雇用する理由としては、若者を採用したり、高齢者を再雇用するよりもメリットがあるケースが多いということでしょう。就職できない若者の特徴として「コミュニケーションが苦手である」という傾向があります。その点において、コミュニケーションを取り慣れている主婦であれば、若者よりも早く職場に馴染みやすい傾向にあるようです。仕事をする上で最も重要となるコミュニケーションをスムーズに行うことができる主婦にメリットを感じる企業は多いでしょう。
「買い物時に購入の決定権があるのは夫婦のどちらか?」というアンケート調査によると、多くの場面で「買い物は妻が決める」というケースが多いという結果があるようです。しかし、販売する側では社員の多くが男性であり、買い手の心理との間にギャップが生じやすいようです。そのため、ある企業では、購買のカギを握る女性の心をつかむため、主婦の力を活用して商品を売っていこうとする試みがあるようです。
例えば、住宅関連会社では、家の購入の際は奥さんがキーマンなのに、商品企画は男ばかりで接客も男性であることに気付き、主婦社員を配置することで、「女性目線」を取り入れることに成功しました。別な例では売上が停滞する商品の販売では、復職した主婦を採用することで男性では気付くことができなかったポイントに注目し、売上アップにつなげることに成功しています。また、あるスーパーでは、パート主婦が売り出したい素材のレシピを自ら考えたり、お客とコミュニケーションを取りつつ売り上げにつなげたり、商品のキャッチコピーを考えて販促ポップを作るなど、主婦目線で売上に貢献しています。
このように、主婦目線での感性にいち早く注目し、職場に取り入れている企業が増えているのです。今後も、こういった企業は増えると予想され、「主婦目線」「女性目線」が求められると考えられます。これは、主婦が輝ける職場が増えているということでしょう。